2022/10/25 18:21
皆さん、ペルシャ絨毯と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか。私が持っているイメージは、シルク製のとんでもなく高い高級絨毯というものです。では、TEORIで扱っているトライバルラグと何が違うんでしょう。今日は、このテーマでお話ししたいと思います。
ペルシャ絨毯とは、一般的にイラン各地にある絨毯工房で織られる絨毯の事を指していると思っていただければ良いと思います。厳密には違うかも知れませんが、絨毯に深く関係されていない一般的な日本の方向けの表現だとご理解ください。イランには各都市にとてもたくさんの絨毯工房があります。工房の多い町としては、イスファハーン、ナイン、カシャーン、クム、マシャド、ケルマン、ハマダンなどが知られています。これらの工房で織られる絨毯は、とても緻密で美しく手織りとは言え、もう工業製品と言って良いほど高品質な絨毯だと言っても差し支えないと思います。実物を見て触ってみればわかりますが、その美しさに圧倒されてしまう様な気持ちになります。
それに対してトライバルラグは、村の家々で織られる絨毯の事を指します。トライバルとは「部族の」という意味です。中央アジアから西アジアにかけての遊牧民の女性たちが日常生活に使うために織る絨毯ですね。ペルシャ絨毯の緻密で美しいデザインに比べると、全く違う美しさを持っていると感じます。織り込まれるモチーフには様々な意味が込められ、部族毎に何世紀にもわたって引き継がれて来た独自のデザインが幾つも存在し、手織りならではの、なんともいえない魅力を持っていると思います。
これは、以前もご紹介したザンジャンのトライバルラグです。もうすぐ入荷予定です。ペルシャ絨毯の画像は、勝手に上げられないので、ネットで調べてみてくださいね。
ペルシャ絨毯がミシュラン三つ星レストランのディナーだとすれば、トライバルラグはおばあちゃんの家庭料理でしょうか。それぞれに魅力たっぷりですが、私はやっぱりおばあちゃんの家庭料理かな😊